価値判断の新たなモノサシを提示する社会的インパクト評価・マネジメント 事業テーマ

活動概要

SIIFは、日本におけるインパクト投資およびインパクト志向のフィランソロピーの普及を目指す組織として、
その必要条件となる社会的インパクト評価・マネジメントの実践、知識開発、実践者の育成に取り組んでいます。

「社会的インパクト評価・マネジメント」

持続可能な社会の構築に世界的な関心が高まるなか、企業も収益性などの経済活動だけでなく、社会への貢献度によって評価される時代となりました。また、NPOなどの非営利組織においても、社会課題解決への貢献度を明らかにしようという動きが出てきています。企業や非営利組織の活動やサービスが、社会や環境に与えた変化や効果を可視化するのが「社会的インパクト評価」、社会的な効果に関する情報にもとづいて事業改善や意思決定を行い、社会的インパクトの向上を志向することを「社会的インパクトマネジメント」といいます。

社会的インパクト評価・マネジメントの概要

社会的インパクト評価・マネジメントの代表的な手法

社会的インパクト評価・マネジメントを実践するうえで、代表的に用いられる手法がロジックモデルです。
ロジックモデルでは、事業活動からアウトプットやアウトカムに至るまでの理論的な因果関係を可視化します。

社会的インパクト:短期、長期の変化を含め、当該事業や活動の結果として生じた社会的、環境的なアウトカム
アウトプット:組織や事業の活動がもたらす製品、サービスなど
アウトカム:組織や事業のアウトプットがもたらす変化、便益、学びその他効果

社会的インパクト評価のプロセス

ロジックモデルを用いて、実施状況を定期的にモニタリングします。結果を分析、
今後の経営の意思決定やステークホルダーへの説明や報告に活用することで、PDCAサイクルを回します。

「インパクト」の5つの次元

社会的インパクトマネジメントの国際イニシアティブ機関であるIMPは、ステークホルダー間で認識を合わせるため、
「インパクトの5次元」という枠組みを提案しています。

次元 各次元において検討される問い
What 当該期間においてどのようなアウトカムが生じたか? そのアウトカムは、それを体験する人々や地球にとってどの程度重要なものか?
Who そのアウトカムを体験するのは誰か? そのアウトカムん意関係し、影響を受けるステークホルダーは、どれくらい不十分な(困難な)状況にあるか?
How much そのアウトカムの大きさはどの程度か? (影響が及んだ範囲、影響の深さ、影響が及んだ期間の長さのそれぞれについて)
Contribution そのアウトカムに対する組織の貢献度合いは? (仮に組織が何もしなかった場合に、どのような状態になっていたと考えられるかを説明付ける)
Risk 人々や地球にとって、期待したインパクトが生じないリスクはどの程度か?

出所:IMP”What is impact?” <https://impactmanagementproject.com/impact-management/what-is-impact/> ニッセイアセットが仮訳

SIIFは、インパクト投資や社会的インパクト評価・マネジメントを推進する国内外の組織と連携し、
海外の先行事例や日本の最新動向を発信し、知見の国内への普及に努めています。

「社会的インパクト評価」が求められる理由

国際的な潮流として、事業や活動による社会的な価値の「見える化」を図り、これを「検証」し、
自らの組織・活動に関する学びや改善、資金提供者などへの説明責任につなげていく仕組みが求められています。

①社会課題解決における成果志向へのシフト
資金提供者や投資家、自治体の間で「何を行ったのか」という「活動」の評価にとどまらず、取組の長期的な「成果」を可視化し、事業改善に活かしていくことが重要だという認識が高まっています。
②社会の在り姿についてのビジョン共有
多様な立場のステークホルダーが社会の課題解決に参加する中で課題認識や目指す社会のゴールについての共通言語が必要となっています。
③多様な価値感を測定する
価値観の多様化が進む中で、経済的価値以外の社会的価値を測る新たなモノサシの必要性が高まっています。

投資プロセスにおける社会的インパクト評価・マネジメント

投資戦略の策定からエグジットに至るまでの投資プロセスの一環として、
社会的インパクト評価・マネジメント を組み込むことが必須になってきています。

ロジックモデルの作り方

社会的インパクト評価・マネジメントに用いられる代表的な手法の一つであるロジックモデルは4つの構成要素でできています。

ステップ1. 事業目標と受益者の特定
まずは事業を通して最終的に達成したい状況を考えることがロジックモデルの作成には必要です。
例えば、「事業が目指す(期待している)社会課題が改善された状態は何だろうか」というように事業目標の検討を行っていきます。
その上で、最終的に達成したい状況を実現するためには何が必要かを逆算してロジックモデル作成の次のステップであるアウトカム、アウトプットや活動、そのために必要なインプット(=資源)を検討します。
ステップ2. アウトカムの設定
1.で設定した最終的に達成したい状況を実現するために、創出すべきアウトカムを考えます。アウトカムは、初期、中期、長期と3段階で設定することが主流です。
ステップ3. アウトプット、活動、インプットの設定
設定したアウトカムの実現に貢献する適切なアウトプット(=事業の結果)、活動(=具体的な事業内容)、インプット(=事業を実施するための資源)を検討し、ロジックモデルに配置します。
ステップ4. 最終確認
以下のチェックポイントを参考に、完成に向けてロジックモデルを改良します。
✓ ロジックモデルの各要素に関係のない項目はないか。
✓ 重複している項目はないか。
✓ 作成したロジックモデルは、実現可能か。
✓ 設定したアウトカムを起点とした時、インプット、活動、アウトプットの各要素が論理的につながるか。

出典:SIMI

ケーススタディ

5つの戦略